【移住Story5】元青年海外協力隊が挑む、雑居ビルから広がるまちづくり
・柳絵里さん(40)
・地域おこし協力隊
・移住元:神奈川県
・移住2年目
・家族構成:単身

横浜市役所職員として働く中、青年海外協力隊として東アフリカ・ケニアに派遣され、現在は北海道旭川市で地域おこし協力隊「まちなか賑わいクリエイター」として活動する柳絵里さん。赴任2年目を迎え、これまでの経験を活かしながら、新しいまちづくりに情熱を注いでいます。
青年海外協力隊としてのケニアでの経験は、柳さんの活動の原点です。水不足が深刻な地域で学校保健や栄養改善に取り組む中、異国から来た“よそ者”であるにもかかわらず、現地の人々が温かく迎え入れてくれました。共にコミュニティをつくる喜びを知ったその体験が、帰国後の「まちづくりに関わりたい」という思いに繋がりました。


国内での活動の場を探す中、旭川市の地域おこし協力隊募集を見つけ、思い切って応募。縁もゆかりもない土地での新生活でしたが、「野菜本来の甘みを感じられる食の魅力や、晴れた日に広がる大雪山系の景色に励まされています」と語ります。
旭川での活動の中で、柳さんの胸には常に「多様な人が交わるコミュニティをつくりたい」という思いがありました。その思いを形にするきっかけとなったのが、中心市街地にある旭川市最古の雑居ビル「緑橋ビル」との出会いです。空き店舗の活用を模索する緑橋ビル商店街振興組合の相談に応える形で、横浜市での空きビル活用を参考に、「緑橋チャレンジラボ」プロジェクトを立ち上げました。
空き店舗ツアーやポップアップイベントでは、木工作家や美術系学生の作品展示、ワークショップ、トークセッションを開催。実際に空き店舗の新しい活用方法を提案することで、最終的には3件の新規入居申込がありました。


柳さんは今後、デザイン・美術系大学と連携して市外から学生を招き、課外授業や展示の場としてビルを活用する構想を描いています。「緑橋ビルを通して、旭川の魅力を再発見してもらいたい」と夢は広がります。
海外での経験を糧に、北の大地で地域を盛り上げる挑戦は着実に成果を上げています。アートとものづくりの力で、多様な人々が交わるコミュニティをつくる—柳さんの取り組みは、移住を考える人にとって、新しい生活の可能性を感じさせる物語となるでしょう。