【移住Story4】旭川×東京の二拠点生活で、増えた人生の選択肢。
・吉見季里子さん(31)
・経営企画、デザイン会社経営
・二拠点場所:東京都、旭川
・二拠点6年目

東京と旭川、約1,000キロ離れた2つの街を行き来しながら、しなやかに、そして情熱的に暮らす女性がいます。
東京に集まる情報・人・企業・文化と、旭川でしか作り得ない自然と動物が身近にある地域コミュニティ―両者を行き来することで見えてくる新たな価値と、そこから広がるつながりやチャレンジ。
自分にぴったりのライフスタイルを、ここ旭川で見つけたのが、吉見季里子さんです。
吉見季里子さんは、2018年に武蔵野美術大学を卒業後、百貨店でバイヤー見習いとして勤務。作り手の思いを消費者に届ける「価値の翻訳者」として充実した日々を送っていましたが、効率や数字が優先される消費社会の中で、人間が自然とのつながりを切り離され、生き物としての根源的な感覚を見失っているようにも感じていました。
そしてそれこそが、コロナ禍で人間に深い孤独と危機感を与えたのではないか、と考えるようになったといいます。


吉見さんに人生のターニングポイントが訪れたのは2020年。旭川市で「緑の森どうぶつ病院」を運営する取締役・本田リエさんとの出会いがきっかけでした。
「ペットは最も身近な自然であり、私たちを森(地球の循環)へと導いてくれる特別な存在」 という本田さんの言葉に深く共鳴した吉見さんは、「人・動物・自然の健康はひとつ(=ワンヘルス)」の考え方を根付かせたいと、2021年に同病院を運営する株式会社グリーンフォレストに転職しました。
企画室でワンヘルスや動物愛護などのCSR(企業の社会的責任)活動を担当し、2024年には旭川市内に人と動物のケアガーデン「ハルニレぽっぽ」をオープン。
さらに2026年には、映画や森での体験を通じて自分も生き物であるという感覚を取り戻す「ハルニレぽっぽ上川芸術祭」を企画するなど、ワンヘルスを身近に感じられる場所を次々に生み出しています。


こうした挑戦を支えているのが、旭川という土地が持つ特別な力だと吉見さんは言います。
都市機能がありながら、すぐそばに大雪山系の雄大な自然が息づくこの街は、まさにワンヘルスを体感できるまたとない環境。
東京では次々に情報を検索し、スピードに追われていた生活が、旭川では土の匂いや季節の変化を五感で感じる暮らしへと変わりました。この地で得た「いのちの感覚」を、今後はアートや教育を通じて東京、そして世界へ翻訳し、循環させていきたいと考えています。
「移住や二拠点生活は、今の暮らしを変えることや捨てることではなく、自分の感覚や人生の選択肢を増やしていくことだと思います」と笑顔を見せる吉見さん。
「まずは自分がその土地を好きになること。最初から大きな決断として考えすぎず、何度か滞在してみる、くらいの感覚からでもよいのではないでしょうか」と続けます。
自然、食、文化、人とのコミュニティ―たくさんの入り口がある旭川。これからの人生を、どんな感覚で、どんな価値観のもと、生きていきたいのか。軽やかな一歩で、新しい生き方に踏み出してみませんか?
