【移住Story2】旅から始まった移住計画。日常に豊かさを感じる暮らしへ。
- 田北あゆみさん(35)
- 会社員
- 移住元:東京都
- 移住2年目
- 家族構成:夫婦
「最初は、ただの旅行でした。でも帰ってからも、その空気がずっと残っていて…」。そう語るのは、2024年に夫婦で旭川へ移住した田北あゆみさん。東京育ちの彼女にとって、自然が身近にある環境は新鮮で、旅のあとも余韻として心に残り続けたといいます。
2023年夏に訪れた旭川は、都市機能と自然が調和したまちでした。JR旭川駅を境に、賑わいと穏やかな風景が共存する構造に魅力を感じ、「ここで暮らせたら」と思ったのが始まりです。夫は長野出身で、東京での仕事に疲れを感じていたこともあり、地方での暮らしをぼんやりと考えていた背景もありました。


移住を現実の選択として考え始めたのは、旅行から帰った後。そこから約10カ月の間に5回旭川を訪れ、冬の厳しさも体感しました。「氷点下の世界は想像以上でしたが、それ以上に、このまちで暮らしてみたいという気持ちが強くなりました」と振り返ります。
東京での移住イベントにも参加し、仕事や生活の具体像をつかんでいく中で、旭川の魅力はさらに広がりました。特に心を惹かれたのは、大雪山の恵みが育む農業や食文化、そしてクラフトなどのものづくり。移住後は「同じコンビニの商品でも北海道の素材でつくられたものは味わいが違う」と驚きました。最近は北海道ワインにも親しみ、食の楽しみが日常に溶け込んでいます。


また、農業が身近にある暮らしの中で、子どものころに教わった食育の意味を、今あらためて実感しています。生活圏のすぐそばに大自然があり、シカやキツネ、リスと出会うことも珍しくありません。東京とは異なる時間の流れと、人のあたたかさも印象的でした。
移住準備では、SNSを通じて現地の人とつながり、雪対策などのリアルなアドバイスを得られたことも大きな支えになりました。「移住者でも温かく迎えてくれる人が多く、不安が少しずつ安心に変わっていきました」。


現在は車中心の生活になり、街歩きの機会は減ったものの、夫婦共に散歩が好きなこともあり、意識的に歩いてまちの空気を感じるようにしています。
「不安もありましたが、それ以上に豊かさを感じる毎日です」。
旅の延長にあった小さな憧れは、いま確かな暮らしへと変わっています。